2005年08月25日

『ジョッキー』

著:松樹剛史 出版:集英社文庫 集英社


レース賞金と騎乗手当てが唯一の生命線のフリー騎手・中島八弥。しかし、騎乗依頼は戦績が惨敗続きの馬や、気性が荒く悪癖を持つ馬などばかり。そんな中、ダービーをも狙えるであろう素晴らしい素質を持つ新馬、オウショウサンデーのデビュー戦の騎乗が依頼される。
スタートで出遅れるも、他を圧倒する追い込みで見事勝利を得た八弥。気をよくしたオーナーは次のレースも八弥へ騎乗依頼をするが――


私はギャンブルには興味のない人間ですが、友人の影響で競馬場にも足を運んだことも数回あり、競馬自体には多少興味はあったり。『ダービースタリオン』をプレイし、『走れマキバオー』を読んだり、近年では映画の『シービスケット』なども見に行ったこともあります。
まあ、その程度といえばその程度の興味ですが。
そんなわけで、この作品も競馬モノではありますが、多くの競馬モノが一人の騎手と一頭の競走馬の成長(あるいは栄光と挫折の)物語であるのに対し、この作品は主人公の騎手・八弥を主軸に、八弥が様々な馬に乗ることで物語が展開していきます。

とにかく、登場人物に魅力がある作品でした。
魅力といっても良い魅力ばかりでなく、横暴なオーナーはとにかくイヤミったらしく描くなど、キャラの描き方に上手さを感じました。
ちなみに私が好きなのはエリート・生駒w



ジョッキージョッキー
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] ジョッキー
[著者] 松樹 剛史
[種類] 文庫
[発売日] 2005-01
[出版社] 集英社

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評価
posted by 朽葉トイロ at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『水の迷宮』

著:石持浅海 出版:カッパ・ノベルス 光文社


三年前、リニューアルしたばかりの羽田国際環境水族館で深夜まで残業をしていた片山は、水温トラブルの対処中に不慮の死を遂げる。
そして三年後の片山の命日、古賀たち水族館職員の元に携帯電話が送りつけられ、一通のメールが届く。その内容は水族館の展示生物への攻撃が示唆されており、実際に水槽にはアルコール入りの瓶が投げ入れられていた。
犯人の意図が分からぬまま、対処に負われる職員達。しかし、それを嘲笑うかのように攻撃は続き、ついにJ1水槽の裏で職員の大島が死体となって発見された――


純粋に読みごたえもあり、楽しめました。最初から最期まで
作中のトリック、犯人等は私でも予測ができ、ミステリとしてはやや難易度は低く、ミステリ導入にはオススメな作品。
個人的な好みを押し付けるならば、殺人事件が起こらず、水槽攻撃の犯人を推理して追う、というもののほうが良かったかな――などと元も子もないような事を言ってみたり(苦笑)
ただ、オチは「現代日本を舞台としている殺人事件なのに、これはいかがなものか?」と思わせるもの(関係者全員で殺人事件を事故としてもみ消す)でしたが、よくよく考えればそういうオチのミステリは結構あるので、単に好みの問題でしょうか。オチ自体は私は嫌いでは無いのですけれど、少し疑問……。

それと、帯の文には『胸を打つ感動』とありますが、実際に水族館に行ったことある人でなければ感動は薄くなるかもしれません。
水族館の実際を知らないと、片山の見た夢の壮大さは理解できないかも。



水の迷宮水の迷宮
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 水の迷宮
[著者] 石持 浅海
[種類] 文庫
[発売日] 2007-05-10
[出版社] 光文社

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評価
posted by 朽葉トイロ at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月01日

『西の魔女が死んだ』

著:梨木香歩 出版:新潮文庫 新潮社


西の魔女が死んだ。
そう連絡を受けたまいは、ママに連れられ西の魔女――おばあちゃんの家へと向かう。
そしてまいは車の中で、2年前、祖母の家で暮らした日々のことを思い出す。


先日のオフ会で、kioさまに勧められ購入した作品。
もともと児童文学色が強いためか、とても読みやすく、かつぐいぐいと引っ張られ、あっというまに読み終わってしまいました。
ノスタルジーな雰囲気で、とても好みでした。特に情景描写には惹かれるものが。
おばあちゃんのキャラクターも、個性が強くて魅力的でした。

新潮文庫には、その後の話「渡りの一日」が収録されていましたが、まいの成長を見る上でとても良かったと思います。話自体も好きでした。



西の魔女が死んだ西の魔女が死んだ
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 西の魔女が死んだ
[著者] 梨木 香歩
[種類] 文庫
[発売日] 2001-07
[出版社] 新潮社

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評価
posted by 朽葉トイロ at 17:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『愚者のエンドロール』

著:米澤穂信 出版:角川文庫(角川スニーカー文庫) 角川書店


千反田に誘われ、文化祭に出展予定の2年F組自主製作の映画の試写会に行く古典部の面々。
しかし、その映画は鍵のかかった密室で少年が殺されていた場面で終わっており、犯人も殺害方法もわからぬままであった。
クラスを代表して、女帝・入須冬実に結末捜しを依頼された奉太郎と古典部の仲間達。
果たして彼らは無事に映画を完成に導くことが出来るのか――?


前作『氷菓』に引き続き、古典部シリーズの続編。
今回はミステリ色よりも青春小説色が強いような感も受けました。
奉太郎の導き出した映画の結末はクリスティの作品の影響を受けているかと思いきや、あとがきで否定されており「おや?」という感想を抱いたり(苦笑)
千反田に振り回される奉太郎がコミカルでなかなか面白かったです。



愚者のエンドロール愚者のエンドロール
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 愚者のエンドロール
[著者] 米澤 穂信
[種類] 文庫
[発売日] 2002-07
[出版社] 角川書店

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評価
posted by 朽葉トイロ at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『氷菓』

著:米澤穂信 出版:角川文庫(角川スニーカー文庫) 角川書店


省エネをモットーとする折木奉太郎は、神山高校に入学して早々、姉・折木供恵の命により、かつて姉が所属していた古典部に入部する。
とりあえず所属だけ……、という気持ちで入部したものの、古典部にはすでに千反田えるという女生徒が入部していた。
しかも千反田は、部室である地学教室に閉じ込められていた、と話し――


第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞受賞作にして、米澤穂信氏のデビュー作。元々、角川スニーカー文庫の<スニーカー・ミステリー倶楽部>より発行されていましたが、この夏(2005年6月)、角川文庫よりリニューアル再版された。
人の死なないミステリー、と評される通り、本筋となる部誌『氷菓』の謎を巡る物語を主軸に、それに追随する形で周りで起こる日常の些細な謎を解いていくストーリー仕立て。
『氷菓』の名の由来には、「ああ、なるほど」といった感じでした。

個人的には福部里志のキャラクターが好きですw



氷菓氷菓
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 氷菓
[著者] 米澤 穂信
[種類] 文庫
[発売日] 2001-10
[出版社] 角川書店

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評価
posted by 朽葉トイロ at 16:17| Comment(0) | TrackBack(2) | 書評−小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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