2011年10月31日

コラム 2011/10/31

 東京新聞の読者投稿欄にてハロウィーンの由来を知らぬまま享受する日本人の姿勢に警鐘を鳴らす中学生の投稿が掲載されていた。内容は以下の通りである。

「由来学んで」
 お化けや魔女の仮装で「トリック・オア・トリート」と叫ぶ子どもを、多く見かける時期だ。ハロウィーンはもともとキリスト教の祭り。秋の収穫を喜び祝い、悪い霊を追い出すことから始まった。
 この祭り、いや、イベントが世界中に広まり、その由来を知らずに楽しむ若者がほとんどだ。私は幼いころイギリスに五年間住んでいた。ロンドンの学校に通い、キリスト教徒になった。週に一時間、キリスト教の祭りの由来を学ぶ授業があり、あちらでは由来を知っているのが常識。
 ハロウィーンの由来も知らないで、日本で行っているのが嫌だ。楽しんでいるなら、由来を知ってほしい。

 知っている人はご存知だろうが、ハロウィーンは元をたどればケルト民族の祭りであり、正確に言ってしまえば「キリスト教の祭り」ではない。大ざっぱに説明するならば、ケルトの祭りにキリスト教の行事の一部が混ざり込んだのがいまのハロウィーンの形式といえる。厳格なキリスト教系の学校の一部では「ハロウィーンはキリスト教の祭りではない」と、一切の行事を行わない学校もあったりするほどだ。
 由来を知る、知らないでいえば、この中学生も正確な由来を知らずにハロウィーンを行っているといえる。とはいえ、彼女の無知を責める気持ちは毛頭ない。文脈から想像するしかないのだが、彼女が学んだイギリスの学校が間違った知識を教えていたと思われるからだ。だとすれば、偽りを真実と教わった彼女もまた無知な大衆の犠牲者であるろう。
 私は真に責められるべきは、この投稿を掲載すべしと判断した東京新聞編集部だと考える。
 このような形で由来を知らないことを嘆く記事に間違った由来が掲載されれば、読者は間違った由来を真実と誤解してしまう可能性は高い。この投稿の嘆く通り、東京新聞の読者投稿を担当する部署にハロウィーンの正確な由来を知る大人が一人もいなかったということだろう。何という皮肉なことか。
 新聞が読者に与える影響は大きい。それは「新聞は私たちに正確な情報を与えてくれる」という期待があるからである。どんな些末な記事や投稿でも、確認する作業は必要なのではないだろうか。



posted by 朽葉トイロ at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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